日本人の抜歯原因1位が「歯周病」だ。にもかかわらず、患者を惑わせる様々な“嘘”や“誤解”が蔓延し、検査や治療が必ずしも適切に行なわれていない実態がある──発売即重版の話題書『やってはいけない歯科治療』著者のジャーナリスト・岩澤倫彦氏が“歯周病治療の罠”を告発する。
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「虫歯がないから歯周病にはならないと勘違いしている患者さんが多いですね。虫歯と歯周病の原因菌は“全く別物”なので、虫歯があってもなくても、歯周病にはなります」
歯周病治療のリーダーとして歯科医たちを指導する弘岡秀明氏(スウェーデンデンタルセンター・院長)は、こう解説する。
「歯周病菌は、酸素があると生存できない嫌気性で、歯周ポケットの中に入り込み、バイオフィルム(様々な種類の細菌が集まった、粘着性の菌膜)として定着します。だから定期的に、専門クリニックで歯周ポケットの管理をすることが重要です」
そもそも歯周病とは、細菌の感染によって歯肉に炎症が起きて、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶ける“感染症”。厚労省の調査では、50代の半数が歯周病になっている。
ただし、正しい治療を受け、毎日の口腔ケアを頑張ると驚くほど歯周病は治る。