2016年5月、キリンカップのボスニア・ヘルツェゴビナ戦で日本代表デビュー。その後、移籍したオランダ1部リーグのヘーレンフェーンでは、2シーズンにわたりコンスタントにプレーしてきたMF小林祐希。今季はヨーロッパリーグ出場をかけたプレーオフを含めリーグ全36戦中32試合に出場し、2ゴールをマーク。欧州組の中でも安定した出場機会を手にしていた。
W杯アジア予選でこそ出場機会はなかったが、ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督の下ではたびたび代表に招集されていた。しかし、本大会開幕を2カ月前にしての突然の指揮官交代も影響してか、ロシアW杯の予備登録メンバー35人からも漏れることに。果たして、小林は「目前で消えたW杯」についていま何を思うのか。(取材・文/栗原正夫)
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──まずは西野朗監督の下、5月31日に発表されたロシアW杯に臨む日本代表メンバー23人の選考に対して、思うことがあれば聞かせてください。
小林:模範解答ですよね。日本らしいというか。ただ、どうなんですかね、もしブラジルやスペインでこういう選考があったらサポーターがどう反応するか。試合にほとんど出ていない選手も入っていますから。
──メンバー発表の前日には西野ジャパンにとって最初で最後の国内での試合となったガーナ戦(0-2で敗戦)がありました。
小林:とくに感想なんてないですよ。結果だけは知っていますけど、まだダイジェスト映像も見ていないですから。その日は、昨年立ち上げた会社でお世話になっている山形の農家さんのところに挨拶に行って、夜はその付き合いがありました。カラオケじゃなくて、ナマオケ! 生バンドがいる店で、オレはドラムを叩いていました(笑)。
ただ、実際に大事なのは本番ですから。監督が代わったばかりの初戦なんてうまくいくはずがない。システムを変えて、人も替えて、(翌日、発表される最終メンバー入りに向けて)全員がアピールしていたわけですから、うまく行くはずないんじゃないですか。
──普段も、あまりサッカーの試合は見ないのですか。
小林:ガーナ戦は見られませんでしたが、これまでは日本代表の試合はずっと見ていましたよ。だって、自分が招集される可能性はあったと思うし、他人事じゃなかったので。日本にいたときもチャンピオンズリーグは好きだったので夜中に起きて見たりしていました。オランダに行ってからはチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグもオンタイムで見られるので、よく見ています。
ただ、試合や練習以外で90分間テレビの前に座っているのが、もったいないなって気持ちがあるのも事実です。オレ、オフはとくにアクティブに動きたい方なので。それでも、サッカー中継で解説や実況を聞くと、英語やオランダ語の勉強になりますから。それに比べると、日本で日本代表の試合などを贔屓目の実況を聞きながら見るのは面白くない(笑)。欧州では実況や解説もダメならはっきり言いますが、日本ではみんなが優しく包むような感じで。プロなんだし、はっきり言えばと思っちゃいますよね。
──シーズン終了後、代表チームスタッフから携帯電話への連絡で35人の予備登録メンバーに入ってなかったことを聞いたそうですが、その時の率直な気持ちはどうでした?
小林:マジか!って普通に思いました。それにオランダで2シーズンやってきましたが、こうなるならJリーグでアピールしてきた方がよかったのかなとか思っちゃいましたよね。