いまやクルマの安全性を高めるのに欠かせない自動ブレーキ。“ぶつからないクルマ”との触れ込みで機能も日々進化しているが、じつは車種によって性能差も大きい。モータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏は、「自動ブレーキが装備されているからといって、過信してはならない」と警鐘を鳴らす。
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美味しいレストランを探すのに便利なのが「ミシュランガイド」です。同じように市販されるクルマの安全性能を星の数で教えてくれるのが「JNCAP(Japan New Car Assessment Program:自動車アセスメント)」です。
自動車メーカーとは資本関係のない第三者である独立行政法人自動車事故対策機構が毎年、新型車を購入して、その安全性能をテストしています。同じ条件で第三者が安全性をテストして点数づけしますから、ライバル同士の安全性能の差が一目瞭然。安全性の高いクルマを欲しい人には、ぜひともチェックすべきテストでしょう。
その最新版となる2017年度(平成29年度)の結果発表・表彰式が2018年5月31日に開催されました。
発表されたのは「衝突安全性能評価」(実際にぶつかったときの人を守る性能)、「予防安全性能評価」(事故を防ぐための新しい技術)、「チャイルドシート安全性能評価」(チャイルドシートの性能)の3つです。
メインイベントとなる「衝突安全性能評価」では、テストを受けた15車種のうち9ものクルマが最高評価となる5つ星を獲得しました。
点数の良い順に並べると「マツダ CX-8」「マツダCX-5」「トヨタ C-HR」「ホンダ N-BOX/N-BOX カスタム」「トヨタ JPN TAXI」「ホンダ ステップワゴン」「ホンダ シビック」「日産 リーフ」「スズキ スイフト」です。上位2台がマツダで、4位に軽自動車の「ホンダ N-BOX/N-BOXカスタム」が入っているのが注目ポイントでしょう。
次に「予防安全性能評価」。これは“ぶつからないクルマ”で知られる自動ブレーキなどの、先進的な運転支援機能の性能を見るもの。クルマや歩行者とぶつかりそうになったときに、どれだけしっかりとブレーキを作動できるか? などの複数のテストを行い、その総合性能をチェックします。
自動ブレーキ自体が新しい技術ということもあり、テスト自体も2014年度に始まったばかり。しかし、技術の進化は恐ろしいもので、今年20台のクルマがテストを受けましたが、そのうち2台が満点を獲得したのです。それが「マツダ CX-8」と「日産 リーフ」。すばらしい性能です。
しかし、一方で、同じ自動ブレーキを備えていても点数の低いクルマもありました。