ライフ

定年後の引っ越し 田舎暮らしのリスクを小さくする方法とは

移住相談は盛んだが…(時事通信フォト)

 定年後の住み替えは、「郊外の戸建て」から便利な「都会のマンション」に引っ越すケースが多いが、対照的な道を選ぶ人もいる。

 Aさん(65歳)は雇用延長が終わって完全リタイアした後、通勤に便利だった駅近くのマンションを売り、田舎に移り住んで半自給自足を始めた。退職金で建てたログハウスには、夫婦の寝室と子供や孫たちが遊びに来た時の客間もつくった。

「団塊やポスト団塊世代の男性には自然あふれる環境で第二の人生を過ごしたいという人が少なくない。しかし、甘く考えて実践すると行き詰まることが多い」

 そう語るのはシニアの生活アドバイザーの横井孝治氏だ。

 元気なうちは慣れない農作業も田舎暮らしも楽しめる。しかし、体力が衰え、病気がちになってくると、病院は遠いし、介護サービスも都会のように充実していない。かといって、マンションは売り、退職金も使い果たしているから今さら都会に引っ越す資金もない。

「シニアの引っ越しは、自分が何歳まで健康で生活できるかの健康寿命を考えて生活設計をすることが大切です。60歳男性の平均余命はざっくり25年くらいありますが、健康寿命は72歳くらい。10年ちょっとは元気でいられるが、その後は衰えが目立ってくる。そうなった時、老人ホームや介護施設に入る“2回目の引っ越し”を考えておく必要がある。

 元気だからと老後資金の大半を使って田園生活に入ると、衰えてきた時にニッチもサッチもいかなくなってしまう」(横井氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン