「17歳と322日」という日本代表最年少出場記録を持つのが、市川大祐(38)だ。
「当時の代表監督の岡田(武史)さんがよく決断したと思います。フランスW杯出場を決めた後の韓国戦でした(1998年)。親善試合とはいえ、初のW杯前に何の実績もない無名の高校生を呼んだんですから」
だが、本戦直前で代表から落選した。「外れるのはカズ、三浦カズ」発言の時、三浦知良、北澤豪とともに外れたが、市川だけはサポートメンバーとしてW杯期間中も代表に帯同した。
「直前合宿で調子が上がらず、僕が外れるのは当然でした。でも外れると言われた翌日から身体がキレッキレで、W杯が開幕してからも絶好調でした(笑い)。カズさんには食事の時などに、『高校生って契約とかどうなってんの?』などと、よく話しかけてもらいました」
市川は17歳でプロ契約後、30歳まで清水エスパルスに在籍。その後はJ1、J2、J3、JFL、社会人リーグと5つのカテゴリーでプレーし続け、2016年に引退した。日本代表としては2002年日韓W杯で活躍したが、怪我に悩まされた2003年以降、招集されることはなかった。
昨年からはエスパルスのサッカー普及部のスタッフとして、小学生のアカデミークラスのコーチをしながら、幼稚園、小学校を巡回して教えるほか、講演も行なっている。