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冷麺、うどん…見た目も涼しい「冷やし麺」のお店3選

冷麺 900円(別辛)(撮影/小松 潤)

 だんだん暑さ厳しくなるこれからの季節、食べたくなるのが「冷やし麺」だ。全国には、ご当地の名物冷やし麺が数多くある。ここでは、冷麺とうどんの名店を紹介しよう。

●食道園(岩手県・盛岡冷麺)

 弾力のある麺のツルツルとした喉ごしとスープの透明感が涼を運ぶ、「盛岡冷麺」。わんこそば、じゃじゃ麺と並ぶ盛岡三大麺として地元で愛されている。

 盛岡冷麺は赤いスープを連想させるがベースは澄んだ牛スープ。キムチを入れることで赤くなり、漬け汁で辛さを調節する。

 盛岡冷麺発祥の「食道園」では辛さの違う4種類のスープを供すが、キムチが別盛となる「別辛」では牛スープをストレートに味わうことができる。

 同店では良質な国産牛を肉9:骨1の割合で煮込んでエキスを抽出し、丁寧に脂を濾す。繊細なスープはコクがあり、上品なビーフコンソメのよう。具の大根キムチの瑞々しい辛さや三杯酢で味付けしたキュウリのほんのりした甘さ、牛チャーシューの甘辛さが少しずつ溶け出すと、スープがより深みを増す。

 盛岡冷麺が誕生したのは、昭和29(1954)年。平壌の近郊で生まれ育った初代が好物だった故郷の冷麺を売り出したが受け入れられず、日本人の舌に合うように研究を重ねて生み出した。

「そば粉が入った黒くてコシの強い麺は当初、輪ゴムのようだと酷評されて散々だったようです。そこで小麦粉と片栗粉でオリジナルの白い麺を作り上げたのです。筒に生地を入れて絞り出す製麺機も自分たちで考案しました」

 こう語るのは2代目の青木雅彦さん。軌道に乗るまでに10年ほど要したが、経営が行き詰まるたびに店の味に惚れ込んだ地元の文化人らに励まされ、徐々に周囲にも店が増えたという。平壌生まれの冷麺は盛岡の人々に育まれ、盛岡名物へと発展した。

・住所:岩手県盛岡市大通1-8-2
・営業時間:月~土11時半~15時、17時~23時/日・祝11時半~15時、17時~21時
・定休日:第1・第3火曜日

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