1985年にイギリスで創刊された季刊のファッション誌『For Him Magazine(フォー・ヒム・マガジン)』は、1994年に『FHM』と名を改め男性向けの月刊生活情報誌として再スタートして以降、アメリカやフランス、ポルトガル、中国、台湾など世界20数か国で次々と出版し、世界進出を果たした。
2016年からイギリス版がウェブサイト版のみでの刊行となったが、影響力は衰えていない。
その『FHM』が1995年からイギリスで始めた名物企画が「世界で最もセクシーな女性100人」だった。栄えある第1回の1位に輝いたのは、当時“スーパーモデル”として名を馳せていたドイツ出身のクラウディア・シファー。
彼女は日本でも知名度が高く、来日した1996年には『トゥナイトII』(テレビ朝日系)などに出演、『進め!電波少年』(日本テレビ系)では松村邦洋が「脚の下をくぐらせてくれますか?」と彼女を直撃して大きな話題を呼んだ。
「世界で最もセクシーな女性100人」は、1年目を除いて順位は読者投票によって決まる。選考基準は、「セクシーな女性」であるという一点のみ。
ジェシカ・アルバ(2007年)やジェニファー・ローレンス(2014年)のように“セックスシンボル”の呼び声高い女優だけでなく、テニス全豪オープン女子ダブルスで優勝したアンナ・クルニコワ(2002年)、ソロデビュー曲が英国チャート1位に輝いた歌手のシェリル・コール(2009年)がトップに輝いたこともある。
受賞年齢も若さあふれる20代ばかりとは限らなかった。33歳のテリー・ハッチャー(1997年)以降、延べ5人の30代受賞者が誕生した。2003年には、2001年公開の映画『チョコレート』で黒人として初めてアカデミー主演女優賞を受賞したハル・ベリーが37歳で栄冠に輝いた。
歴代1位の出身地を見るとドイツ、アメリカ、ロシア、ウクライナ、オーストラリア、イスラエルと広範囲で、英国出身者は2005年にケリー・ブルックが初受賞と、まさに「世界で最もセクシーな女性」を決めるにふさわしいランキングである。日本人の初選出もそう遠くないかもしれない。
では、2017年の最新版「世界で最もセクシーな女性100人」に輝いた女性のトップ5を紹介しよう。
【1位/ガル・ガドット】
1985年生まれ。2004年、イスラエル代表として参加した「ミスユニバース世界大会」を機に女優の道へ。昨年公開の主演映画『ワンダーウーマン』は世界で8億2500万ドル(約906億円)の興行収入を記録。兵役義務で国防軍に在籍した経験をアクションシーンで生かした。