今年の3月末でNHKを退社し、くりぃむしちゅーやマツコ・デラックスが所属する芸能事務所に加入した有働由美子アナウンサー(49才)。今年10月から日本テレビ系『NEWS ZERO』のメインキャスターに就任することが発表された。
NHK退局にあたって「ジャーナリストとして生きていきたい」というコメントを発表した有働アナ。同じNHK出身で大先輩にあたるジャーナリストの池上彰さん(67才)はそんな有働アナに対して「そんなに簡単に“ジャーナリスト”を名乗ってほしくないな」と語った。
池上さんによれば《ニュースを伝えるのは、現場での取材を積み重ねてきたジャーナリスト》(6月6日付文春オンライン)の仕事だ。そもそも海外には“アナウンサー”という職種自体がなく、報道番組ではベテランジャーナリストが独自の視点でニュースを伝えるのだという。
独立後の有働アナを巡って民放各局が争奪戦を繰り広げたとも報じられた。しかし、動きは限定的だったようだ。まずはフジテレビ。キーパーソンは、ベテランの安藤優子キャスター(59才)だ。
「現在は昼の情報番組のMCですが、1991年の湾岸戦争で現場取材を行うなど、実績と経験はピカイチ。取材力を生かして、独自の視点で政治や経済、事件までわかりやすく話す技術も長けています」(テレビ局関係者)
フジテレビは“NHKの麿”こと登坂淳一アナ(47才)の報道番組起用がセクハラ疑惑でボツになったこともあり、起死回生の策で有働アナにオファーする動きもあった。
「ただし、安藤さんには“ニュースキャスターとしては有働さんに負けるはずがない”という自負がある。最近は若手の育成にも熱心で局にも貢献度が高い。有働さん獲得には反対で、上層部にはしっかりアピールしていたようです」(フジテレビ関係者)
テレビ朝日は、実力派の長野智子キャスター(55才)だ。
「長野さんは硬派な報道番組で経験を積んできた実績もあり、米オンラインメディアの『ハフポスト日本版』の編集主幹も務めています。『報道ステーション』などお堅い番組が多いテレ朝では“有働さんより調査報道をやってきた長野さんの方が実力は上”と評価が高いんです」(テレビ朝日関係者)
TBSの報道局内では膳場貴子キャスター(43才)の存在感が大きい。
「長年、看板番組『NEWS23』のキャスターを務めた膳場さんはNHK出身で有働さんの後輩にあたります。しかし、膳場さんは筑紫哲也さんが、がん治療の時にメインキャスター代理として番組を支え、その後も跡を継いだキャリアやプライドがある。なにより、オジサン視聴者やスポンサーからの支持は絶大です。
有働さんと膳場さんは、NHK時代に『おはよう日本』のキャスターを経験した先輩・後輩の関係です。それが民放の報道キャスターとしては、経験値が逆転しています。2人を社内で“同居”させることは気まずいとわかっているので、TBSは有働さん獲得に後れをとったようです」(TBS関係者)
どちらにせよ、アナウンサーというより「ニュースキャスター」と呼んだ方がしっくりくる安藤、長野、膳場の3人の一角に、有働は名乗りをあげたことになる。