青汁、しじみエキスにグルコサミン……。日々の生活にすっかり定着した健康食品の数々。特に健康を気にするシニアの中には“摂らないと不安”に感じる人もいるほどだ。
「朝起きたらまず青汁、精力がつくっていうから亜鉛のサプリも欠かさない。あとは雑誌とかテレビで紹介されたものを次々に買っちゃうから、家に溜まっていく。全部摂っていたら健康食品だけで満腹になっちゃうよ(笑い)」(65歳男性)
日本健康食品・サプリメント情報センター理事の宇野文博氏がその市場規模を解説する。
「2017年の健康食品の市場規模は前年比1.9%増の1兆2272億円に達しています。ドラッグストアの店舗が増え、ネット通販の増加も市場拡大に貢献しています。青汁や乳酸菌などの従来からの人気商品や、ビタミン・ミネラルといったサプリメントが下支えし、そこに次々と新商品が登場している状況です」
市場拡大に一役買っているのが、消費者庁がお墨付きを与えた「特定保健用食品(トクホ)」や「機能性表示食品」の表示である。“脂肪の燃焼をサポートする”“お腹の調子を整える”といった売り文句が、健康に敏感なシニア層の心をくすぐっている。
「健康食品が効果を発揮するのは、人間の身体に影響する成分が含まれるからです。例えばトクホには身体の生理学的機能に作用する『保健機能成分』が含まれ、サプリは通常の食事では微量しか摂れない成分を効率よく摂取するために“凝縮”するので、健康へのよい作用が期待されるということです」(薬剤師で医薬情報研究所の堀美智子氏)