「興奮を覚えても勃起しない」「勃起しても完全に硬くならない」といったED(勃起不全)の原因には、血管などの障害による「器質性」や、ストレスによる「心因性」とともに、常用薬の副作用が原因の「薬剤性」も少なくない。ED患者の25%が薬剤性EDだという研究もある。
では、どんな薬が「薬剤性ED」を招きやすいのか。
日本性機能学会が発行する『ED診療ガイドライン(2018年度版)』によれば、「高血圧治療薬」「抗うつ薬」「前立腺肥大治療薬」の3種類で可能性が指摘されている。また、強い薬効を持つ処方薬(医療用医薬品)の中には、「胃酸分泌抑制剤(胃薬)」や「高コレステロール症治療薬」などにEDの副作用が明記されている。
そこで本誌・週刊ポストは医薬品や医療機器の有効性や安全性などの分析を行なう独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」のホームページに公開されている医療用医薬品1万4548点の添付文書(薬の効能、副作用、併用禁忌などを記した医療従事者向けの説明書)を検証。副作用として「勃起不全(勃起障害、勃起機能不全)」が記載された経口薬、点眼薬を調べた。その数は実に111種類にのぼる。
EDを招きやすい代表的な薬が「高血圧治療薬(降圧剤)」だ。薬剤師の深井良祐氏が解説する。