多くの人が摂取する健康食品の副作用について国が調べたデータベースがあることはあまり知られていない。「国立健康・栄養研究所」は、市場にあふれる多くの健康食品やその食品成分などについての情報を集積し、「『健康食品』の安全性・有効性情報」としてインターネット上に掲載している。
国内外の研究者が健康食品の素材や成分を調査した結果や論文を改めて精査し、科学的なエビデンスの裏付けがあると判断したものだけをデータベースに掲載しているという。その数855件。このデータをもとに、摂取する際の注意点をみていこう。
“健康な関節を維持”などと謳われているコンドロイチン硫酸は骨の形成を助ける効果があると期待されており、「サメの軟骨エキス」としてサプリメントなどで人気を集めている。
データベースでは、有害事例は〈適切に用いれば経口摂取でおそらく安全である〉とした上で、まれに〈上腹部痛、吐き気を起こす可能性がある〉と記されている。
こんな事例も報告されている。〈気管支喘息の80歳男性(日本)が、膝痛のため2種類のサプリメントを摂取し始めたところ、6日後より咳嗽(がいそう)、発熱、呼吸困難を生じ受診、サプリメントの摂取中止と加療により回復した。(中略)当該製品に含まれるコンドロイチンが原因と考えられる薬剤性肺障害と診断された〉
同じく若返り食品として人気のミツバチ由来のローヤルゼリー。〈俗に、「体質を改善する」「免疫能を向上させる」「若返る」「血圧を低下させる」などと言われているが、(中略)更年期症状に対し特定の混合物で有効性が示唆されているが、アレルギー性鼻炎に対しては効果がないことが示唆されている〉との評価だ。