中国の全国各地20あまりの都市で6月8日から1週間以上、数万人のトラック運転手らが参加しての大規模ストライキが行われたことが分かった。中国全土に展開してのトラック運転手のストライキは初めてで、トラックによる流通に深刻な遅れが出ており、市民の日常生活や中国の経済活動にも大きな影響が出てくることが懸念されている。
ストライキの直接の原因はトラック配車アプリ「運満々」によるもの。運転手間の仕事の受注競争が激化した結果、安い運賃を提示した運転手に発注されることから、運賃自体が急落したのだ。
ストライキ参加者は「トラック運送の市場が運満々に独占され、不当に引き下げられた運賃では、もう生活できない」と訴えている。
このストライキを契機に、これまでのガソリン価格の高騰や警察当局の理不尽な取り締まり、高速道路の通行料の違法徴収、各地方政府の通達に統一がとれていないなどといった不満が爆発。ストライキの主催者は、全国3000万台のトラック運転手にストライキの決行を訴えた。
ストライキに参加せずに、営業を行う運転手については、「スト破り」とみなして、トラックを破壊することも辞さないとしていた。
中国のSNSでは、江西省修水市や安徽省、湖北省、浙江省、上海市、貴州省、重慶市などのスト風景や、各地の高速道路、幹線道路、料金所に止まっているトラックの長い車列などの写真や動画が投稿されている。