小池百合子・東京都知事、稲田朋美・元防衛大臣など女性政治家29人を論評した『女政治家の通信簿』著者の古谷経衡氏と、同書に登場する女性政治家とは大体面識があるという舛添要一氏。歯に衣着せぬ言論で知られる二人が、このたびトークショーを行った。議題は、昨今の女性政治家はなぜ「保守化」するのか。舛添氏が独自の分析を披露する。
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古谷:とくに意識していたわけではないんですが、『女政治家の通信簿』で取り上げた論評対象は“右寄り”の女性議員が多くなってしまいました。いや、そもそも、稲田朋美さんや中山恭子さん(希望の党)のように、右寄りの女性議員が目立つ気がします。
舛添:政治家は選挙で票をとらないといけません。例えば、安室奈美恵さんが選挙に出たら、黙っていても通りますよね。
古谷:はい、何も言わなくても当選します。
舛添:でも、いくらタレント議員でも、彼女のような知名度がある方はほとんどいない。そうでない方が政治を挑むときは、ある程度の「資金」と「票」が必要になります。だから街頭に出る。演説して「ぜひ投票してください」と訴える。だけど、いくら人が集まっても、実際に票を入れてくれるかわからない。不安です。
たとえば公明党の議員は創価学会の方が確実に投票してくれるから、安定感があるわけですよ。一部の労働組合もそう。でも、宗教団体や労働組合とコネクションがある候補者はまれです。そうすると、不安で仕方がない。でも、そこで“ある種の傾向”を踏まえれば、確実に票を投じてくれる集団がいるんですよ。
古谷:なるほど……その答えは予想がつきます。
舛添:それが右翼なんですよ。逆に左翼はほとんど頼りにならないんです。彼らは、格好いいことは言うけれども……。
古谷:実際にはなかなか投票には行かない、というわけですね。なぜですか?
舛添:知的インテリ層は批判は得意なのだけれども、彼らを共感させるのは難しい。だからなかなか投票に行ってくれないんです。朝日新聞を読んでいる方に、朝日と同じ論調のスローガンを訴えたからといって、響かないと思いますよ。知的インテリ層の情熱を湧き立たせるような候補者はなかなかいない。
古谷:冷笑系なんですね(笑)。