ライフ

ウザい「インスタ蠅」から脱出した銀行員の物語

「インスタ蠅」を脱出した銀行員・仲根秀平(24)

 月間アクティブユーザー数が世界で8億人、日本で2000万人を超えたInstagram。2017年の流行語「インスタ映え」に象徴されるように、写真に特化したSNSとして若い女性を中心にユーザー数を増やしてきた。そして今では、10代から40代までの全年代で、2017年に前年と比べて10%以上増加した唯一のSNSとして、その注目度と影響力が増している。

 とくに男性ユーザーの激増ぶりが顕著で、アプリダウンロード数で男性は前年比50%超を記録するほど。それまで、若い女性のものというイメージが強かったInstagramだが、「インスタ映え」を狙った自撮り写真をアップする男性も珍しくなくなった。

「インスタ映え」とは、Instagramに写真を掲載したときに見栄えが良いこと、写真写りが良いことをいう。転じて、インスタで注目を集めたいただけの空虚な行動をする人たちがフォトジェニックな場所やモノに群がる様子が蠅のように見えることから、「インスタ蠅」と揶揄する言葉も生まれた。今年はさらに特化した現象も語られるようになり、空港やラウンジでの写真ばかりやたら投稿する男性インスタグラマーが「エアポートおじさん」と呼ばれ、多忙や華やかさをアピールしてウザいと評判になった。

 漫画『最強伝説(さいつよでんせつ) 仲根』(小学館)の主人公・仲根秀平(24)も、そんな「インスタ蠅」になりかけた。

 極限の勝負に身を置く男たちの姿を描き続ける漫画家・福本伸行氏の作品『最強伝説 黒沢』で中学生だった仲根は、同年代では敵がなく、帰国子女で英語を流ちょうに操り、表から裏まで広い交友関係を持ち、異性にもモテる完璧な男だった。その後『最強伝説(さいつよでんせつ) 仲根』では大学を卒業するにあたり髪を黒く染め、190センチの高身長だけが目立つ普通の社会人になった。銀行員になった仲根は、一通りの優秀さは持ち合わせているが仕事に意義を見いだせず、過去の「スゴかった俺」ばかりを懐かしんでいた。鬱屈を晴らすためフォトジェニックなインスタグラマーを目指し、自慢の肉体を自撮りで披露するが「いいね」の数が伸びず苦悩する毎日。

 ところが、銀行員としての仕事のなかでの出会いがきっかけで、未来を見据えたインスタに目覚め、仕事にもやりがいが生まれ、自信を深める。そして「『いいね!』とか気にしなくなり出したら、増えちゃうんですから」と仲根自身が言うように、Instagramの「いいね」も増え、周囲を巻き込んで変わってゆく。

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン