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有名薬の発売後の副作用情報が一般患者に届きにくい理由

市販薬でも新たな副作用が

 知ってそうで知らない薬の副作用リスクがある。一般に医療用医薬品の副作用は「医薬品添付文書」でチェックできる。問題は、薬の発売後に新たに発覚して「追加」として記載される副作用が多いことだ。

「発売後に高齢者や合併症のある患者などが幅広く服用することで、初めて副作用が出現するケースが多くあります」(医療ガバナンス研究所理事長で医師の上昌広氏)

 発売後に薬を処方した患者に副作用が出たら、その薬を製造した製薬会社や医師などが厚労省所管のPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)に報告する。ここが医薬品と副作用の因果関係などを精査し、製薬会社への照会などを経て、厚労省が「医薬品添付文書の改訂」を製薬会社に指示する。

 問題はこの情報がなかなか患者に届かないことだ。

「追加された副作用の情報はPMDAのホームページで順次公開されますが、多忙な医師はそのすべてを把握しているわけではありません。一般患者にもほとんど周知されていません」(上氏)

 医薬品はリスクを上回る利益がある場合に使用されるため、発売後に新たな副作用が出た薬を服用しても、必ずしも患者の健康を害するわけではない。だが、中には重篤な副作用もあり、体力が低下する高齢者ほど副作用が生じるリスクが高まる。特に服用する機会の多い薬はあらかじめ副作用を把握しておきたい。

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