6月18日に発生した大阪北部地震は、大都市の地下に存在する「活断層」の脅威を改めて認識させた。さらに問題なのは、地中の岩盤にずれが生じているにもかかわらず、警戒すべき活断層として認識されていない「隠れ断層」とも呼ぶべき存在が、日本中のあちこちに点在している可能性があることだ。島村英紀・武蔵野学院大学特任教授が解説する。
「政府の地震調査研究推進本部によれば、日本には現時点で約2000の活断層が見つかっています。地震調査委員会はそのうち約110の活断層の動きを調査・解析し、地震の発生確率などを導き出しています。
ところが、断層の上に土砂が堆積していたり、都市部で地表がビルやアスファルトに覆われていたりする場合、断層の存在を調査・確認することは難しい。まだ見つかっていない“未知の活断層”が、日本の地下にあと4000はあると考えられます」
東洋大学の渡辺満久教授(変動地形学)は、野外調査やそこで得られたデータのコンピュータ解析を重ねていくことで、まだ見つかっていない活断層を独自に探り当てる研究を続けている。
そうした研究の結果、掲載の地図では、渡辺氏が存在を疑う巨大断層の一つを示した。地震調査研究推進本部は首都圏の活断層のなかで、神奈川県横須賀市に位置する「三浦半島断層群」を、M6.6以上の地震が想定される最も危険な“Sランク”に位置付けている。だが、渡辺教授は、よりリスクの大きい、内陸の群馬から東京湾沿岸に至る「120km断層」が存在する可能性があると警鐘を鳴らす。