6月18日に発生した大阪北部地震に関するテレビ報道で目立ったのは、視聴者から提供された動画や画像だった。
陥没した道路から洪水のように噴き出す水、屋根瓦が崩れた建物……それらのほとんどが元々は個人のツイッターやフェイスブックなどのSNSに投稿されたものだ。
NHKは『スクープボックス』、テレビ朝日は『みんながカメラマン』といった、視聴者がスマホからテレビ局に映像を投稿できる仕組みもあるが、
「“スクープ投稿”は待っていてもなかなかやってこないので、記者やADがネット上でひたすら画像や動画を検索しまくっている。使えそうな素材があれば、投稿者にコンタクトをとり、使わせてもらっている」(キー局社員)
という。かつては「いの一番に現地入り」を競っていたテレビ局の“災害取材のイロハ”は様変わりしているようだ。
そんなテレビ局の“記者”として大災害の惨状にスマホを向ける人たち──その行動が、被災住民の感情を逆撫でする事態も起きている。
「破裂した水道管に大勢の若者が群がって、ひたすらスマホを向けていた。なかにはわざわざバイクで駆けつけ、跨がったまま写真をとる人もいた。側には敷地内に水が流れ込まないように懸命に水を道路に掻き出している人がいるというのに、“そんなことしてる場合か!”と思いました」(大阪府茨木市の住民)