1996年のアトランタ五輪では、ブラジルに勝利した「マイアミの奇跡」と呼ばれた大金星の後に、チームは内紛で沈んだ。その苦い経験をもつ西野朗・サッカー日本代表監督は、6月28日、ロシア・ボルゴグラードで迎えるW杯予選第3戦、ポーランドとの大一番でどんな決断を下すのか。チームは一つになって向き合えるのか。思い起こされるのは22年前に西野監督が経験した蹉跌だ。
1996年アトランタ五輪での“西野ジャパン”の状況は今回と奇妙なほど符合する。
同五輪の予選リーグは1戦目がブラジル、2戦目がナイジェリア、3戦目がハンガリー。「南米→アフリカ→東欧」という対戦順は今回と全く同じで、初戦で“奇跡的勝利”を収めたところも一致する。
アトランタでは初戦の大金星のあと、2戦目を落とし、3戦目は勝利。2勝1敗ながら、得失点差で決勝トーナメント進出を逃した。
この時に、「内紛」があったことはよく知られている。2戦目のナイジェリア戦のハーフタイム、中田英寿らと西野監督が衝突。険悪なムードのまま後半戦に入り、0-2で敗れた。
そして西野監督は3戦目のメンバーから中田を外した。「マイアミの奇跡」で背番号10をつけ、勝利に貢献した遠藤彰弘氏は、当時をこう振り返る。