仕事に何を求めるかは人それぞれだ。お金か、やりがいが、夢か。2016年3月にNHKを早期退職し、国立成育医療研究センターが運営する医療型短期滞在施設「もみじの家」のハウスマネージャーに就任した、元アナウンサーの内多勝康さんの決断について、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師がお届けする。
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人生には、いくつもの岐路がある。50歳前後は、なかでも大きな岐路に直面しやすい時期ではないだろうか。
生活習慣病などいろいろなデータをみても、50歳前後から体調の変化が顕在化しはじめる。子育ても一段落し、夫婦の在り方も変わってくる。仕事の立ち位置も変わってくるのもこのころだ。そんなとき、自分は本当のところ、何をしたいと思っていたのか、と自問しはじめる。
元NHKアナウンサーの内多勝康さんも、50代で人生の路線を大きく変更した一人。『生活ほっとモーニング』『クローズアップ現代』などの人気番組の担当アナウンサーだった彼は、2年前の53歳のとき、NHKを早期退職。国立成育医療研究センターの医療型短期入所施設「もみじの家」の初代ハウスマネージャーへと転身した。
ちょっと聞き慣れない施設かもしれないが、ここは人工呼吸器や経管栄養など医療的ケアが必要な子どもと家族のための施設。イギリスの子どもホスピスをモデルにして作られた。
それにしても、アナウンサーがなぜ、医療・福祉の現場に飛び込むことになったのだろうか。