「家族に安全・安心なものを食べさせたい」「余暇を自然と触れ合って楽しみたい」と、庭先やベランダなどで家庭菜園を始める人が増えている。ところが、大切に育てていた害虫にやられることも。栽培上のトラブルやお悩みが発生しやすいのが、梅雨から夏にかけての、ちょうど今頃。
このシーズンをうまく乗り越えて、すずなりの野菜収穫につなげる「病害虫」対策はあるのだろうか。葉や実が育ってきて、そろそろ収穫が始まる頃に、頭を悩ませるのが、虫の発生と飛来だ。
虫には、アブラムシを食べてくれるてんとう虫のような益虫もいれば、せっかく育った野菜の葉や実、根っこを食い荒らす害虫もいる。園芸家の深町貴子さんはこう語る。
「葉の側面から削り取るようなかじり方をするのはナメクジ。夜行性で暗い場所を好むため、こうした食べられ方の葉を見つけたら、夜や早朝に外へ出てみて。ナメクジが見つかれば、捕獲して駆除を」
また、ナメクジが通ったあとは、透明の膜が残り、シャボン玉液のようにテカテカ七色に光るので、原因を特定しやすい。
一方、丸い穴を開ける食害はハムシ類、ナス科などの葉を葉脈だけ残して食べるのは、ニジュウヤホシテントウが犯人。最近では、食品添加物由来など、口に入っても問題ない市販の駆除薬も販売されているが、自分で駆除剤を作るのも手。
園芸技術アドバイザーの古藤俊二さんはこう解説する。
「昆虫が黄色に惹きつけられる性質を利用し、甘酸っぱい溶液を黄色のバケツなどに入れて駆除する方法があります。これはトマトやきゅうり、かぼちゃなど黄色い花が咲く野菜につく害虫に効果的。野菜の根元に、10平方メートルに1個程度を設置する方法で約1か月は効果が期待できます」
また、こんな駆除方法も効果的。
ヨーグルト大さじ1、ごま油とはちみつ各1~2滴を2lの水で溶いた溶液を、虫が集まりやすい黄色のバケツに入れて野菜の近くに置く。幅広い害虫を誘引する強い味方となる。
10gの片栗粉を100mlのぬるま湯に溶いて米ぬかやぬか漬けの残りを少量加えた溶液を、半分に切った500mlのペットボトルに入れる。その上から、半分に切ってナメクジの侵入口を開けた2lペットボトルをかぶせる。2lペットボトルは黒い布などで覆うと、暗い場所を好むナメクジにより効果的。倒れないよう、四隅を竹ひごなどで支えるとよい。
※女性セブン2018年7月12日号