〈朝日新聞の信頼度は日本の有力紙の中で最下位〉という衝撃的な調査が発表された。英国オックスフォード大学ロイター・ジャーナリズム研究所が毎年行なっている国際的なメディア調査レポートの最新版『Digital NEWS REPORT 2018』によると、日本の新聞で読者の信頼度が高いのは1位が日経新聞、2位地方紙、3位読売新聞で、朝日新聞は産経新聞(4位)や毎日新聞(5位)より下の6位となった。“日本で一番信頼できない新聞”という評価だ。
この調査は今年1~2月にネットによるアンケート方式(日本のサンプル数は2023人)で行なわれ、新聞、テレビ、週刊誌などの媒体ごとに信頼度を「0(全く信頼しない)」から「10(完全に信頼がおける)」までの11段階で評価したものだ(朝日は5.35ポイント)。
「朝日の凋落」は数字からもはっきりわかる。信頼を失うきっかけは誤報問題。同紙の朝刊部数は2012年には約762万部だったが、安倍政権になって福島第一原発事故をめぐる吉田調書報道や慰安婦報道での誤報が批判されると、2015年度には約670万部と3年間で92万部も落ち込んだ。
その後も部数は減る一方で、今年5月の販売部数は約590万部とさらに80万部ダウンだった。反朝日の保守層ではなく、朝日読者の“朝日離れ”が深刻なのだ。朝日新聞社会部の若手記者は最下位への“転落”を実感している。
「事件取材で現場の聞き込みに回っても、一般の人から『ああ、朝日ね』と他社より下に見られてしまう。クオリティペーパーという矜持が持てたのは昔の話。調査で最下位になったのはやっぱりという気がする」