6月20日に発表された侍ジャパンU-18日本代表候補30人に、大阪桐蔭から選ばれたのは実に6人──。2年連続でセンバツの胴上げ投手になった根尾昂に、俊足、強打、強肩の外野手・藤原恭大。勝負強さとミート力が光る主将・中川卓也に、右の豪腕・柿木蓮。さらに右の大砲・山田健太に、捕手の小泉航平である。この全員が今秋のドラフト候補だ。
最強世代──。彼らが入学する直前、中学時代の日本代表歴やそれぞれの地元に残した逸話から、2018年に大阪桐蔭史上、最強のチームが完成し、甲子園を席巻すると私(ノンフィクションライター・柳川悠二)は予見した。
今春のセンバツでは2連覇を達成。100回を迎える選手権大会で春夏連覇を達成すれば、予見は現実のものとなる。大阪桐蔭が京都府内で関西(岡山)と練習試合を行っていた6月下旬。ド派手な本塁打が、まるで花火大会のフィナーレのように飛び交った。
藤原が左中間に満塁弾を叩き込めば、根尾は二塁打、三塁打、そして本塁打2本と、サイクル安打以上の大爆発。公式戦では控えの選手や、代打で出て来た下級生にもホームランが飛び出し5回までに計8本塁打、17点を奪った。ライバル校がうらやむ巨大戦力は、日本一熾烈な競争の中で育まれている。
「あれだけの選手たちを預けてくれたなら、僕でも勝てますよ。しかし、ええ選手がおって勝つのは、ひとつも面白くない。力の落ちる選手たちを、練習と作戦と根性で、いかに勝たせるかが監督の仕事。甲子園で大阪桐蔭との対戦があるのなら、そりゃあ蹴手繰りをかましたろ、と思っています」