〈朝日新聞の信頼度は日本の有力紙の中で最下位〉という衝撃的な調査が英国オックスフォード大学ロイター・ジャーナリズム研究所が毎年行なっている国際的なメディア調査レポートの最新版で発表された。日本の新聞で読者の信頼度が高いのは1位が日経新聞、2位地方紙、3位読売新聞で、朝日新聞は産経新聞(4位)や毎日新聞(5位)より下の6位となった。
国民から不信を持たれる原因は、慰安婦報道や吉田調書問題など間違った報道を誤報と認めて謝るのが遅すぎるからだろう。
安倍晋三・首相と麻生太郎・副総理兼財務相にとって、朝日新聞は格好の標的だった。朝日が政権批判の記事を書けば書くほど、2人は同紙の記者を翻弄することで“捏造の朝日”というレッテル貼りと自己正当化に利用した。
「朝日を批判すれば政権は維持できる」──味を占めた安倍政権は何でもありになってきた。
延長国会では「カジノ実施法案」の強行採決に走り、「1票の格差」是正で定数ゼロとなった島根と高知の自民党参院議員を来夏の参院選で事実上の無投票で当選させようという公選法改正案(※注)も“数の力”で成立させる構えだ。
【※注/2016年参院選で「1票の格差」解消のために導入された「鳥取・島根」「徳島・高知」2つの“合区”により2019年参院選で議席を失う現職議員を救済するため、自民党は国会に公職選挙法改正案を提出している。合区を解消するのではなく比例代表の定数を増やし、拘束名簿式を一部導入して“特別枠”を設ける狙いとみられている】