6月25日に栃ノ心が新大関に昇進した名古屋場所の番付発表が行なわれたが、その2日前、“親方衆の番付”にも大変動が起きた。貴乃花親方の一門離脱によって、「貴乃花一門」が「阿武松グループ」に名称変更して活動していくことが明らかになったのだ。
「貴乃花一門は8人だったが、貴乃花親方とともに立浪親方(元小結・旭豊)、常盤山親方(元関脇・舛田山)が抜け、阿武松グループは5人での再出発になった。無所属の親方との連携で理事1人を確保する見通しは立ったが、影響力低下は避けられない」(協会関係者)
相撲協会ではグループは「一門」とは認められず、協会が配分する助成金も受けられない。さらに離脱者が出るなどして理事を出せなくなった場合、所属する親方は職務分掌で冷や飯を食わされかねない。加えて、“貴乃花ブランド”を手放す損失もある。
「八角理事長(元横綱・北勝海)との権力闘争に敗れたとはいえ、審判部として土俵下に現われた時の歓声の大きさは段違いで、現役時代の実績も親方衆の中では断トツ。グループが少数派でも、貴乃花親方という“印籠”があれば世論が味方してくれるという安心感があったはず」(若手親方)
そんな貴乃花親方が無所属になり、「阿武松グループと選挙協力もしないという動きは不気味だ」と話すのは二所ノ関一門の親方だ。