現実に隣に住む人だったら、ほとんどの人が放っておくだろう事柄でも、なぜかネットの世界では詰問し、糾弾し、炎上へということがしばしば起きる。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、話題にするだけで地雷になりがちな子育て関連の炎上事件を振り返る。
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元々「宣伝材料があるか主張したい人間以外、ネットの情報発信は無駄」という考えでいたが、最近とみにその考えが強くなっている。「考えが違う」というだけで炎上させられるし、所属先にクレームも寄せられるからだ。
6月、慶應義塾大学教授のツイートが多数の批判を浴びた。自身の趣味である観劇に、ゲーム好きの我が子が関心を示さぬため腹が立ち「ゲームはクソ! ミュージカルが最高!」と叫んだところ号泣されたという。これに対しては、「自分の趣味を押し付け、子供の趣味を尊重しない多様性否定のクソ親」的扱いをされ炎上、同氏はこのツイートを削除した。
親の教育方針なんてものは、本来家ごとに異なるものだし、親の押しつけがあって当然だと思っていた。もちろん、寒い中ベランダに立たせたり食事を十分に与えなかったり暴力を加えるなどした、目黒の5歳女児虐待死事件のようなネグレクトは糾弾・通報・逮捕されるべきである。
件の教授は子供にとってゲームは良くない、観劇の方が優れている、という考えを持っていたのだろう。にもかかわらず、「親の心子知らず」とばかりにゲームに没頭する子に苛立ち、怒った挙げ句いちいちツイッターで教育論をぶちかまし炎上した。