六本木、麻布十番、西麻布、乃木坂……港区界隈でハイスペック男性たちと飲み会を繰り広げる「港区女子」は、“幸せ”の基準がどうも一般的な女性と異なるようだ。現役港区女子でコラムニストの吉川リサコ氏が、「ハイスペ男性と結婚しても終わらない」港区女子の生態をリポートする。
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ハイスペックな男性との結婚──それは「勝ち組」なのだろうか。もちろん、結婚相手を選ぶ基準も、そもそも結婚するかしないかも、何が幸せと考えるのかも、個人個人によって違う。ただ、ハイスペ男子と飲み会を繰り広げる港区女子にとっては、医師や弁護士といった「士業」、あるいは稼いでいる実業家男性などと知り合い、選ばれ、結婚まで行き着くことは一種の“成功”といっていい。
では、ゴールインすれば「勝ち組」なのかというと、そうでもないようだ。よく一緒に飲みに行っていたマミは、「結婚は通過点だよね」と笑う。よく言われる「結婚はスタート、その後の夫婦の生活をいかに幸せにするか」といった類いの話じゃない。
すでに結婚した港区女子を見ていても、いろいろな考え方の子がいることがわかる。今の稼ぎがものすごくなくても、そこそこの貯金がある男ならいいという女子。顔面偏差値が低くてもクレジットカードを自由に使わせてくれるならいいという女子。家に帰ってこなくても高額な生活費さえもらえたらいいという女子。顔も稼ぎもいい男を捕まえた女子。そのなかでマミは、「お金も時間も外に彼氏を作るのも自由にさせてくれる男」を選んだ。
「プロポーズはバラの花束。式はリッツ・カールトン。式も新婚旅行も楽しかったけど、結婚生活なんて1年も経てば日常になる」──そう言っていたマミ。続けて語った言葉は、私は“名言”だと思う。
「日常が楽しい相手なんてそんないないの。ハイスペと飲み会して楽しいのは当たり前だよ。だってあれは彼らのオンだもん。オフも楽しい人なんて稀だよ」
オフも楽しい人なんて稀……確かに。でも、次の言葉は反感を買うだろう。
「口説かれ慣れすぎた私にとって結婚生活って苦痛かも。平和だから。愛人気質な私は彼氏がいないとむり~」
マミは毎週土曜日に夫からフリーの時間をもらい、「彼氏」とデートをしているらしい。ドロドロのW不倫に陥っている(楽しんでいる?)既婚港区女子もいるが、定期的に会えるライトな彼氏がいて、家庭円満な女が真の勝ち組だと彼女は語る。