中国内モンゴル自治区の区都、呼和浩特(フフホト)市中心部の同自治区政府ビル前の広場で、解雇を迫られている小中学校の代用教員ら2000人がデモや集会を実施。学校の廃校にともなう失業などに抗議することが目的で、武装警察部隊などの治安部隊が出動し、一時は騒然とした雰囲気となった。
内モンゴルで、反政府集会やデモが行われるのは珍しいが、それほどデモ参加者の生活が脅かされている表れといえる。米政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア」が米ワシントンの本部を置く「南モンゴル人権ニュースセンター」の情報として報じた。
デモ参加者らはフフホト市ばかりでなく、人口が最も多い赤峰市や包頭市など同自治区全土の約20都市から集まってきており、デモが組織的に計画されていることが窺える。
彼らはほとんどが代用教員だが、ここ数年、中国政府による政策が失業に繋がっている。同自治区の遊牧民の定住が推進されて遊牧民が都市部に移住しているため、小中学校が廃校に追い込まれたのだ。それに伴い大部分の代用教員が解雇され、失業に追い込まれている。
中国政府は1997年から正式に遊牧民の定住政策を打ち出しており、それ以降、遊牧民の都市部移住が急速に進んでいる。定住化の目的は、遊牧民が暮らしていた牧草地の地下にある鉱産資源の開発のほか、耕地化による農業の振興などだ。