子どもの成長を周囲に報告したい、可愛い写真を見てもらいたい。保護者なら多くの人が共感するだろう。そんな気持ちから子どもの写真をSNSで公開する人が増えている。一方、自分の顔は出さないのに、モザイクもかけず子どもの写真を公開している保護者はとても多い。子どもの写真はいつまで公開しても問題ないのか、実態はどうなのか。ITジャーナリストの高橋暁子氏が解説する。
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Instagramでハッシュタグ「#10ヶ月」「#6ヶ月」を検索すると、どんな写真が多いかご存知だろうか。その大半が生後10ヶ月や6ヶ月の赤ちゃんの写真だ。成長記録として使ったり、同じ年頃の子どもを持つ保護者同士で情報交換をするために使っているようだ。
現状、Instagramでは子どもの顔がはっきりと分かる写真や動画などが大量に投稿されている状態だ。中には通っている幼稚園名が分かる写真や、お尻などがしっかり写り込んでいる写真も少なくない。実は、ハッシュタグをつけると検索対象となり、友だちとしてつながっている以外のユーザーからも見られる状態となる。
Facebookもよく子どもの写真公開に使われる場だ。昔からの付き合いの知人や仕事相手など、一度に多くの人に子どもの成長を知らせることができるため、便利に使われているようだ。
◆LINEアイコンは「子どもの写真」
筆者も子どもが小学生のため、同じ年頃の子どもを持つ多くの保護者とLINEでつながっている。子どもを持つ保護者の場合、「LINEのアイコンが子どもの写真」というケースはとても多い。
たとえばある保護者LINEグループでは、自分の顔写真やイラストなどをアイコンにしているのは36人中私を含めわずか7人。残り全員は子どもの写真をアイコンにしている。一人は子どもと自分のツーショットを載せているが、残りは子どもの写真を使用している。
子どもが小さい場合、「◯◯ちゃんママ」として他の保護者とつながることが多いので、子どもの顔が分かるようにした方がわかりやすいことも要因の一つだろう。また、子どもの写真を使うことで、普段会わない人たちにも子どもの成長を伝えられる効果もある。
LINEは検索対象とはならず、知人とのみつながることが多いため、比較的安心な空間だ。しかし、アイコンは友だち以外でも見られるものであり、「知り合いかも」欄にも表示されてしまう。機種変した電話番号の新しい持ち主などにも表示される仕組みであることを考えると、決して安心はできない。