「この度は、この私を“ご採用”いただき、心より御礼申し上げます。つきましては、みゆきちゃんに感謝の意を表したいと思います」
恋人の娘に新しいママとして認めてもらった主人公・亜希子はシャツを胸の下までめくりあげ、顔の絵が描かれたお腹を大胆に露出。体をくねくねとひねらせながら、“顔”の表情を変化させた──。
綾瀬はるか(33才)の腹芸に度肝を抜かれた『義母と娘のブルース』(TBS系)は初回視聴率11.5%。自閉症スペクトラム障がいの研修医を演じる山崎賢人(23才)主演の『グッド・ドクター』(フジテレビ系)も11.5%。さらに沢村一樹(51才)を主演に迎えたフジテレビの月9『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』は10.6%。ポンポンポンと2桁発進が相次ぎ、今クールのドラマは豊作の予感だ。
◆コミカルからシリアスまで、個性派原作ものが充実
まず注目すべきは原作もの。過去にも原作があるドラマは数あれど、今クールは個性派漫画を原作にしている作品が多いのが特徴だ。
20日にスタートする『透明なゆりかご』(NHK)の原作は、沖田×華(おきたばっか)さんによる同名漫画。沖田さんが産婦人科医院で看護師見習いとして体験した実話をもとに描かれている。物語は、主人公が中絶後の胎児の遺体を専用ケースに入れて火葬業者にわたすところから始まる衝撃的なストーリー。発表以来、「読むのがつらいが知っておかなければならない現実がある」とSNSを中心に反響を呼び、原作は6巻で325万部を突破した。実写化にあたり、朝ドラ『あさが来た』(2015年・NHK)で女優デビューした清原果耶(16才)が主役に抜擢された。
ライターでドラマウオッチャーの吉田潮さんは、この作品をNHKが手がけることに期待を寄せる。
「きれいごとでは終わらない、シビアな問題をきちんと描いた原作が素晴らしい。主演の清原さんは朝ドラ女優とはいえまだまだ若いし、演技は未知数。彼女がひとりの女性の成長をどう演じていくのかは見ておきたい」(吉田さん)