『義母と娘のブルース』(TBS系)が11.5%、『グッド・ドクター』(フジテレビ系)が11.5%、『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』(フジテレビ系)が10.6%と、初回の平均視聴率2桁超えが相次ぎ、好調の様子を見せている今年の夏ドラマ。注目ポイントは、脚本家だという。今回の夏ドラマは過去に社会現象を起こしたヒットメーカーが勢ぞろいしている。
圧倒的な才能を持ち、家柄もルックスも申し分ないお嬢様(石原さとみ・31才)と平凡な自転車店店主(峯田和伸・40才)が恋に落ちる超格差ラブストーリー『高嶺の花』(日本テレビ系)の脚本を手がけるのは、『101回目のプロポーズ』(1991年・フジテレビ系)や『高校教師』(1993年・TBS系)を手がけた野島伸司さん。視聴率30%超え作品をいくつも生み出し、レジェンドともいえる存在だ。しかし近年は深夜枠やネット配信ドラマなどでの脚本執筆がメインで、“誰もが知るヒット作”の更新がなされていないのも事実。ライターでドラマウオッチャーの吉田潮さんはこう話す。
「『OUR HOUSE』(2016年・フジテレビ系)は正直きつかったですが(苦笑)、最近の野島作品、私は嫌いじゃないんですよ。1990年代の野島も、近年の野島も捨てて、今作でガツンと新しい野島劇場を見せてくれるんじゃないかと期待してるんです」
テレビウオッチャーの堀井憲一郎さんは、石原主演の法則に着目する。
「ここ数年、彼女が出演する作品はどれも当たる。脚本を見極める力がすごくあるんですよね。彼女が出るなら期待できるかな」(堀井さん)
TBS系『この世界の片隅に』の脚本は、朝ドラ『ひよっこ』(2017年・NHK)の岡田惠和さん。過去には、竹野内豊(47才)と反町隆史(44才)を大ブレークさせた『ビーチボーイズ』(1997年・フジテレビ系)や、菅野美穂(40才)を演技派女優へと引き上げた『イグアナの娘』(1996年・テレビ朝日系)を手がけた稀代のヒットメーカー。ドラマ評論家の成馬零一さんは言う。
「岡田さんは、原作をもとに脚本を書くのが非常に上手。全く同じことになることもないし、原作を無視するようなことにもならない。信用、安心感が違います」
山田孝之(34才)と菅田将暉(25才)がW主演する『dele』(テレビ朝日系)の脚本は、『SP 警視庁警備部警護課第四係』シリーズ(2007年~・フジテレビ系)を担当した金城一紀さん。
「金城さんは小説家ですが、書いたドラマはだいたい人気になるという凄腕の持ち主。時間をかけて伏線を作りこむので、海外ドラマのような、カタルシスのあるテイストをどこまで再現できるかというのが楽しみ」(成馬さん)