フランスが20年ぶりの優勝を果たしたサッカーW杯ロシア大会。日本では、全64試合が地上波で生中継された。時差の関係で深夜放送になる試合も多かった今大会だが、視聴率はどうだったのだろうか。視聴率研究家の岡野誠氏が話す。
「64試合中19試合が2ケタを獲得しました(ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)。そのうち、日本戦が4試合ですから、他国の試合でも4分の1は10%を超えている。時間帯を考えれば、及第点だったのではないでしょうか」(以下「」内同)
地上波放送の全64試合の内訳はNHK32、民放32。日本テレビ、テレビ朝日、TBS、フジテレビが各8試合を放送した。視聴率2ケタ試合の内訳はNHK8、テレビ朝日4、フジテレビ、TBS各3、日本テレビ1となった。
「日テレは、予選リーグ2試合目の日本対セネガル戦以外は全て深夜3時以降の試合を放送。W杯中継に積極的ではなかった印象です。普段から視聴率好調のため、W杯が入るとレギュラー番組が休みになってしまう。視聴者の習慣を壊したくなかったため、ゴールデン帯やプライム帯は避けたのではないでしょうか。このW杯戦略1つとっても、日テレの編成はよく練られている」
視聴率2位だが日テレに水を開けられているテレ朝は、6月22日のブラジル対コスタリカで18.3%を獲得。これは日本戦を除くと、今大会で最も良い視聴率だった。
「他にも、6月20日のポルトガル対モロッコで15.4%、6月23日の韓国対メキシコで10.2%、7月14日の3位決定戦・ベルギー対イングランドで11.3%を記録。民放がW杯の日本戦を中継するようになった2002年以降、テレ朝は初めて日本戦の放映権を取れませんでしたが、他の試合には恵まれていました。3位決定戦でベルギーのアザールがゴールを決めた後、解説の松木安太郎氏が『アザールでござーる』と言ったときは何が起こったのかと一瞬、戸惑いましたが(笑い)」