ビジネス

武蔵小杉、武蔵小山、武蔵小金井 「ムサコ」をめぐる綱引き

「ムサコガーデン」は武蔵小金井にある

「ムサコ」と聞いて思い浮かぶのは武蔵小杉か、武蔵小山か、武蔵小金井か。近著『ライバル駅格差』が話題のライター・小川裕夫氏が、3つの町の「ムサコ」という呼称をめぐる綱引きついてレポートする。

 * * *

 これまで、あまり人々の耳目を集めなかった駅や街が、突如として注目されることがある。そのきっかけは、鉄道の新路線が開通したことで動線が大きく変化したり、駅前が大規模開発によって変貌したことなどだ。

 日本の総人口が減少局面に突入している昨今、いまだ東京23区だけは人口増加を続けている。特に千代田区・港区・中央区などの都心区は、今後も人口が増加することが推定されている。

 東京23区が繁栄を極める一方、隣接する神奈川県・埼玉県・千葉県は全体的に苦しい。それでも、局地的には大幅に人口を増やしているエリアもある。

 近年、神奈川県川崎市の武蔵小杉駅は大規模開発によって一躍、注目の駅となった。

 武蔵小杉駅が注目されるようになった端緒は、2010年に横須賀線・湘南新宿ラインの武蔵小杉駅が開設されたことが挙げられる。横須賀線・湘南新宿ラインの駅が開設されたことで、武蔵小杉駅から東京駅・新宿駅へのアクセスが飛躍的に向上。交通アクセスが向上したことで、都市開発がさらに加速。居住人口や通勤需要も激増した

 こうして、武蔵小杉は“ムサコ”とも呼ばれるオシャレタウンの仲間入りを果たした。しかし、武蔵小杉を“ムサコ”と呼ぶことに異議を唱える人たちもいる。それが、東京・目黒区と品川区にまたがる武蔵小山駅界隈に居住もしくは通勤・通学する人たちだ。

 武蔵小山駅は1923年に小山駅として開業。武蔵小杉駅の開業が1927年だから、武蔵小山駅の方がわずかに先輩だ。武蔵小山駅には“パルム”と呼ばれる長いアーケード街もあり、区外からも買い物や散策に訪れる人がいるほどの人気タウンでもある。

 一方、“ムサコ”と呼ばれる駅は、もうひとつある。それが、JR中央線の武蔵小金井駅だ。

関連記事

トピックス

常盤貴子が明かす「芝居」と「暮らし」の幸福
【常盤貴子インタビュー】50代のテーマは「即興力」 心の声に正直に、お芝居でも日々の暮らしでも軽やかに生きる自分でありたい
週刊ポスト
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
ホストにハマったAさんが告白する“1000万円シャンパンタワーの悪夢”「ホテルの部屋で殴る蹴るに加え、首を絞められ、髪の毛を抜かれ…」《深刻化する売掛トラブル》
NEWSポストセブン
西武・源田壮亮の不倫騒動から5カ月(左・時事通信フォト、右・Instagramより)
《西武源田と銀座クラブ女性の不倫報道から5か月》SNSが完全停止、妻・衛藤美彩が下していた決断…ベルーナドームで起きていた異変
NEWSポストセブン
大谷夫妻の第1子誕生から1ヶ月(AFP=時事)
《母乳かミルクか論争》大谷翔平の妻・真美子さんが直面か 日本よりも過敏なロスの根強い“母乳信仰”
NEWSポストセブン
麻薬の「運び屋」として利用されていたネコが保護された(時事通信フォト)
“麻薬を運ぶネコ” 刑務所の塀の上で保護 胴体にマリファナとコカインが巻きつけられ…囚人に“差し入れ”するところだった《中米・コスタリカ》
NEWSポストセブン
ホストクラブで“色恋営業”にハマってしまったと打ち明ける被害女性のAさん(写真はAさん提供)
〈ちゅーしたら魔法かかるかも?〉被害女性が告白する有名ホストクラブの“恐ろしい色恋営業”【行政処分の対象となった悪質ホストの手練手管とは】
NEWSポストセブン
公務のたびにファッションが注目される雅子さま(撮影/JMPA)
《ジャケットから着物まで》皇后雅子さまのすべての装いに“雅子さまらしさ“がある理由  「ブルー」や小物使い、パンツルックに見るファッションセンス
NEWSポストセブン
小室圭さんと眞子さん(2025年5月)
《英才教育》小室眞子さんと小室圭さん、コネチカット州背景に“2人だけの力で”子どもを育てる覚悟
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
【ステーキの焼き方に一家言】産後の小室眞子さんを支えるパパ・小室圭さんの“自慢の手料理”とは 「20年以上お弁当手作り」母・佳代さんの“食育”の影響
NEWSポストセブン
不正駐輪を取り締まるビジネスが(CPGのHPより)
《不正駐輪車を勝手にロック》罰金請求をするビジネスに弁護士は「法的根拠が不明確」と指摘…運営会社は「適正な基準を元に決定」と主張
NEWSポストセブン
「子供のころの夢はスーパーマンだった」前田投手(時事通信フォト)
《ワンオペ育児と旦那の世話に限界を…》米国残留の前田健太投手、別居中の元女子アナ妻が明かした“日本での新生活”
NEWSポストセブン
眞子さんと佳子さま(時事通信フォト)
《眞子さん出産発表の裏に“里帰りせず”の深い溝》秋篠宮夫妻と眞子さんをつないだ“佳子さんの姉妹愛”
NEWSポストセブン