巷に溢れる「やってはいけない」「やったほうがいい」という健康情報には、実践する側が知りたい「肝心な情報」が抜けている。“良いか、悪いか”は詳しく記しているのに、「誰に合うのか」は軽く見られているのだ。
特に困るのが「シニア向き」「中高年向き」という“括り”である。人生100年時代において、60歳と70歳、さらには80歳、90歳の健康対策が同じでいいはずがない。怖ろしいことに、実践する年齢が適していなければ、「害」になる健康対策もある。
「健康法」についても「メリット」と「デメリット」が明確に逆転するものがある。国内外の研究や専門家の知見をもとに表の通り、5歳刻みで示した。秋津医院院長の秋津壽男医師はこういう。
「たとえばランニングは若い人にとっては健康増進効果の期待できる“王道”でも、加齢とともに心停止や脱水症状のリスクのほうが大きくなる。“体にいいから少しでも長く続けよう”という意識がアダとなる可能性があり、十分に注意が必要です」
人生100歳時代がやってくるからこそ“5歳刻み”の発想を持つことで、より長く、より健康な人生を歩めるようにしていきたい。