「公的機関ではなくあくまで個人のツイートです。だからぼく自身の人となりを伝えることも大切だと考えました。普段の食事や出入りする場所、好き嫌いなどを書き込んで、どういう人間が発信しているかの息遣いを受け手が感じられるよう意識しました」(早野さん)
信念とともにツイートを続けるとさまざまな方面から反応があった。双方向のやり取りで福島の現状を深く知った早野さんは、その後、学校給食の被ばく量調査や住人の内部被ばく調査など、現地での活動に勤しんだ。原発は繊細な問題だけに批判を浴びることも多かったが、臆することなく住民との交流に励んで、福島の再起に貢献した。
ツイッターで得られる最大の財産は「人との出会い」であると早野さんは言う。
「震災から7年経ちましたが、今も日本のあちこちで『フォロワーです』と声をかけられます。ぼくの人生の中では311以前に出会った人より、それ以降に出会った人の方が多いくらいです。福島での活動にはフォロワーから1口1000円の寄付が2000万円集まったし、今一緒に仕事をしている糸井重里さんもツイッターで知り合いました。これらはすべて、SNSの力です」
※女性セブン2018年8月2日号