同僚の野球用具の窃盗に、全裸乱痴気騒ぎの動画公開。初代オーナー・正力松太郎の遺訓「巨人軍は常に紳士たれ」の対極にある愚行を働いた選手には厳罰が下り、7代目オーナー・老川祥一氏の引責辞任に至ったのも当然の結果だった。
しかし、それが「巨人軍の自浄作用」といえるのか。むしろ今回の醜聞は、《巨人軍の選手差別》という伝統が40年にわたって脈々と続いていることを示している。
老川オーナーの辞任が発表された7月17日の緊急会見で石井一夫・球団社長は、辞任理由として「6月以降に相次いで発覚した不祥事」を挙げた。
1つは、二軍の篠原慎平・投手(28)が都内カラオケ店での男女10人の酒席で全裸になり、河野元貴・捕手(27)がその動画をSNSで知人らに公開した一件だ。
それから約1か月後、柿澤貴裕・外野手(23)が、二軍本拠地(読売ジャイアンツ球場)のロッカールームで阿部慎之助・内野手(39)らの野球用具計110点を盗み、中古ブランド店に売却していたことが明らかになり、窃盗容疑で逮捕された。