雑誌図書館が危機を迎えている。昨年5月、大宅壮一文庫が資金難からクラウドファンディングに踏み切り、今年6月には六月社が閉館した。
インターネットの登場で、雑誌の部数は減少。比例するように、蔵書約78万冊を誇り、独自のデータベースを構築し、マスコミ関係者を中心に重宝されてきた大宅壮一文庫の利用者も落ちている。
著書『田原俊彦論 芸能界アイドル戦記1979-2018』(青弓社)の中で、一次資料を徹底的に調べ上げることで、田原俊彦がドラマ界に残した功績、長女誕生記者会見でのビッグ発言報道の推移、ジャニーズ事務所との共演NG説などを検証した芸能研究家・岡野誠氏が国会図書館や大宅文庫などの重要性を説く。
「『ネットで検索できるようになったから、国会図書館や大宅文庫に行かなくなった』という意見をよく耳にします。しかし、ネットだけに頼る調べ方には限界があります。ウィキペディアは参考程度に見るには便利ですが、決して信じきってはいけない。
たとえば、1994年2月のことであれば、1994年2月の資料を見なければ、分析できません。そして、ネットに1994年2月当時の記事は転がっていません」
岡野氏は著書の中で、田原俊彦の芸能人生を振り返る上で避けては通れない1994年の長女誕生記者会見前後の報道について、詳細に触れている。