私たちの生活に身近な外国人労働者といえば、コンビニの店員だろう。特に首都圏では、日本人店員をほとんど見かけない店舗すらある。ここ数年はその国籍も多様になってきている。彼らはどんな事情で来日し、なぜコンビニで働いているのか。『コンビニ外国人』を上梓した芹澤健介氏が解説する。
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レジで向かい合った客が記入する宅配便の伝票の住所(漢字)を反対側から判読し、即座にレジに打ち込む。百種を超えるタバコの銘柄を、略称まで覚える。客が支払いに使う電子マネーがどのタイプかを瞬時に判別してレジを操作する私が取材したコンビニで働く外国人たちはそんな業務を難なくこなしていた。
学生だった二十数年前、コンビニのバイトの採用面接で「暗い」と言われて不合格になった私からすれば、そこに採用されただけで彼らは尊敬の対象だ。しかも、慣れない日本語を学びながら働いているのだから、たいしたものだと思う。
全国のコンビニで働く外国人は、大手3社(約5万店舗)だけで4万人を超えた(2017年)。全国で均(なら)すとスタッフ20人のうち1人が外国人という数字である。
私がこれまで取材してきた「コンビニ外国人」のほとんどは留学生で、日本語学校の生徒がその多くを占めていた。特に首都圏、中でも山手線、中央線沿線の店舗に多い。彼らは来日直後から2年目ぐらいの留学生たちで、その国籍は実に多様だ。中国、韓国はもとより、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、ネパールなどの東南アジア、南アジアが多いほか、ウズベキスタン人が目立つ地域もある。
2011年の東日本大震災直後はコンビニ外国人も激減したが、2012年頃から中国人や韓国人たちが戻り始め、ここ数年は東南アジアや中央アジアからの留学生がぐっと増えた印象だ。