「理事長の田中です」
「監督の内田です」
「どうも~、“悪質タックル”で~す」
チケット即日完売はダテではない。満員の観客は波打つように肩を揺らして笑い、割れんばかりの喝采を送った。
7月16日、日本大学芸術学部出身の高田文夫(70)が、同窓生の昭和こいる(74)、立川志らく(54)、春風亭一之輔(40)、柳家わさび(37)を引き連れ、東京・下北沢の本多劇場で開いた舞台『おしゃべりな日芸』の一幕である。
「昭和のめる」として日芸の先輩の昭和こいると漫才を披露した高田は、冒頭のボケで観客を沸かせた後も「先輩の入学試験は、あみだくじとジャンケンだったんでしょ? 蝮さん(毒蝮三太夫)はあっち向いてホイで入ったしね」「僕らの頃からちゃんと試験が始まって、『なす、キャベツ、きゅうり、豚……仲間外れはどれ?』なんて問題だった」と母校をいじり倒す。「♪フェアプレイ 日大、フェアプレイ 日大」と日本大学応援歌『花の精鋭』を高らかに歌い上げる頃には、劇場内は爆笑の渦に包まれた。
高座に上がった立川志らくが、「日芸OBは“日芸出身”というプライドと“日大出身”という劣等感を持っているから、芸術学部の人は例外なく『日芸です』という。『日大です』という人は1人もいませんよ」と話す日芸の歴史は古い。