味覚障害と同じく、年齢とともに耳が聞こえづらくなるケースもある。耳の聞こえが悪くなると他者とのコミュニケーションが取りづらくなり、老化が一気に進むとされる。
「難聴予防に最も効果的なのはマグネシウムです。70歳を超えたら難聴を防ぐため、マグネシウムを多く含むアーモンドなどのナッツ類や、ココアを積極的に摂取してほしい」(平松医師)
80代になると、体の節々で痛みが増す。老化に伴って薄くなった膝周辺の血管から血液中の成分が漏れ出し、炎症が起こる変形性膝関節症は、80代男性の約7割が罹患しているというデータもある。
「変形性膝関節症の痛みにつながる血管の老化を防ぐのが、ブロッコリー、キャベツ、白菜などアブラナ科の野菜に多く含まれる『スルフォラファン』という成分です。80代を迎えたら積極的にアブラナ科の野菜を口にしてほしい」(戸田整形外科リウマチ科クリニックの戸田佳孝医師)
年齢を重ねるとともに変わりゆく常識に対応しながら、いつまでも食事を楽しみたい。
なお、表は各種論文やデータに加え、白澤抗加齢医学研究所の白澤卓二医師、平松類医師、戸田医師、望月氏の指摘のもと作成。
※週刊ポスト2018年8月3日号