AI(人工知能)が進化する時代の中では、「人間らしさ」が重要になると言われる。では、それはどんな能力なのか──『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』著者でワークスタイルクリエイターの藤野貴教氏が、外資系コンサルタントが合コンで“やらかした”エピソードから読み解く。
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コンサルタントの仕事は、事実を分析して、問題を発見し、解決策を提案するということ。単純作業はAIに代替できても、そうした高度で複雑な仕事はまだまだ人間が行わなければならないと言えます。しかし、あまりに頭がよすぎると、「人間らしさ」から離れてしまうのかもしれない──そう考えさせられるエピソードがあります。
外資系コンサルタントの鈴木さん(仮名。20代後半男性)は、東大院卒でロジカルシンキングを得意とし、「そもそも」が口癖。仕事中は、「鈴木が語ると突っ込むすきがない」と言われるくらいコンサルっぽいコンサルでした。
そんな鈴木さんがコンサル同期と行った合コン。びしっとしたストライプのスーツに、高そうな革カバンというスタイルで決めた鈴木さんは、待ち合わせ場所のバーに30分遅れで現れました。自己紹介もそこそこに、女の子たちに一言かまします。
「どうも。今日はグローバルとテレカンがあったので、ちょっと英語が混ざるかもしれないけど、そんな感じでよろしく」
その場に居合わせた友人曰く、ほぼ、このままのセリフだったそうです。補足しておくと、海外との電話会議(テレフォンカンファレンス)があったという意味です。僕はこれを聞いて背筋が凍りました。もし自分が男性側で参加していたら、フォローするのに胃が痛くなりそうです。