漢方の起源は5~6世紀頃の中国にあり、奈良時代に日本に伝わったとされる。以降、日本で独自の発展を遂げてきた。
「原材料のほとんどは植物の葉、茎、根など薬効を持つ部分で、動物・鉱物由来のものも稀にあります。そうした材料を原則2つ以上、平均で約7種類を組み合わせて漢方薬を作っています」(ツムラ広報グループ)
不眠症などに効く抑肝散には、セリ科のサイコの根やセンキュウの根茎などが、腸のはたらきを活発にして腹部膨満感を改善する大建中湯(ダイケンチュウトウ)にはサンショウやニンジンなどが配合されている。
漢方外来のある代官山パークサイドクリニックの岡宮裕院長によれば、最もよく処方するのは夏バテによる食欲不振など、胃腸の不調時に用られる補中益気湯(ホチュウエッキトウ)。
「血圧や血糖値が高めの人へのサポートになる八味地黄丸(ハチミジオウガン)、イライラなどを抑え、認知症の周辺症状を緩和する効果のある抑肝散(ヨクカンサン)なども処方の機会が多い」(岡宮氏)
また、ツムラによれば「よく使っていただいているのは風邪などを改善する葛根湯(カッコントウ)、こむら返りなどの症状に使う芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)、腹部膨満感などに効果のある大建中湯など」(広報グループ)だという。