「漢方」は2000年以上の伝統を持ち、西洋医学の薬とは違った作用機序による効果が期待できる。しかし、服用には漢方そのものへの理解を深めておくことが大切だ。注意すべき点、知っておきたい情報をまとめた。
まず、錠剤、粉末、液体のどれを選べばいいのか。漢方外来のある代官山パークサイドクリニックの岡宮裕院長は「粉末か錠剤かの違いは、効果の観点ではさほど意識する必要はない」と言う。
「粉末タイプは苦みが強いので、苦手な人は錠剤やカプセルを選ぶなど、自分にとっての飲みやすさを優先して選ぶのがいい」
次に、気を付けるべき「飲み合わせ」はあるのか。
「たとえば葛根湯に入っている麻黄は、血圧を乱高下させ、心不全を悪化させるリスクがあります。心疾患の薬や降圧剤を飲んでいる人は、医師や薬剤師に相談したほうがよいでしょう」(同前)
また防風通聖散(ボウフウツウショウサン)という肥満症状に使う漢方薬の場合、ナイシトール、コッコアポなどの商品名で一般用医薬品として販売されている。
「両方を服用すると、薬に含まれる甘草の摂取量が多くなってしまい、偽アルドステロン症(手足のだるさ、しびれなどの症状)などを引き起こすリスクがある」(ツムラ広報グループ)