いつ発生しておかしくない大地震。その時、私たちに襲いかかる凶器となる可能性があるのが、ブロック塀だ。6月18日、最大震度6弱を記録した大阪北部地震で、小学4年生の女児を圧死させたのは、建築基準法に違反していたブロック塀だった。通学途中の痛ましい“事件”。私たちは日々、そうした凶器に囲まれて生活していることを自覚しなければいけない──。
大阪北部地震(6月18日)の翌日、政府がまず行ったのは全国の小中学校にブロック塀の緊急点検を要請することだった。
「すでに各学校から点検状況の中間報告が届いております。情報の整理がつき次第、公表する予定です」(文部科学省企画部施設企画課・担当者)
それほどまでに大きな衝撃を与えた女の子のブロック塀による圧死事件。しかし、公共施設よりも圧倒的に多いはずの民家の塀は、調査の対象に含まれていない。ここに問題があると指摘するのは、防災アドバイザーの吉田亮一さんだ。
「建築基準法を満たしていない一般家庭の塀は、全国に無数にありますが、どうして政府はそこに切り込んでいかないのか。チェック機関がないのは問題です」(吉田さん)
吉田さんは、3年前、大阪北部地震によりブロック塀が倒壊した高槻市の小学校で講演し、ブロック塀の危険性を学校側に伝えていた。
「倒壊したブロック塀は古く、問題があることがひと目でわかりました。通学路も点検しましたが、気になる塀がいくつもありました。あの時、補強していれば今回のことは起きていなかった。しかし、それは高槻市に限ったことではありません」(吉田さん)
◆あなたの家、近隣の家の塀を確認しよう
それでは、どんな塀が危険なのか。下記のチェックリストで確認していただきたい。
□1 塀の高さは地盤から2.2m以下か
□2 塀の厚さは10cm以上か
□3 控え壁はあるか(塀の高さが1.2m超の場合)
□4 塀が欠けていたり、ひび割れはないか
□5 塀がぐらついていたり、傾いていないか
□6 基礎の根入れの深さは30㎝以上あるか
□7 塀に鉄筋は入っているか
点検内容を、日本建築防災協会の調査研究部部長・横田康宏さんが解説する。