医師や看護師に対する暴力や患者同士の喧嘩、さらには窃盗、セクハラなど、病院内ではさまざまなトラブルが発生している。現在、こうした事件に対処すべく“院内交番”を設置している病院は全国に約300ある。
ここでは実際に起こった「暴力・恐喝」事件の内容を報告する。
昼食の時間、入院患者たちへの配膳を終えてスタッフがホッとひと息ついた頃、ある病室から激昂する男性患者の声と「やめてください!」という悲鳴にも似た看護師の声が響いてきた。
看護主任が様子を見に行くと、男性患者は今度は看護主任の胸ぐらをつかみ、「箸が出てないじゃないか」「オレへの嫌がらせか」と怒鳴りつけた上で、平手でその顔面を殴りつけた。
その直後である。ナースステーションから連絡を受けた「院内ポリス」が現場に駆けつけた。
180cm近い身長の屈強な男の登場に、男性患者は暴力を止めたが、その後も文句を言い続けた。この60代の患者はプライドが高く、看護師の言葉遣いや態度に不満を募らせていたという。