健康志向のシニアが増加し、連日大盛況のスポーツジム。いまや「定年後の社交場」として病院に取って代わる勢いだという。しかし、中にはとんだ“暴走老人”もいて……。
ある平日の午前9時50分、営業開始を10分後に控えた都内の某スポーツジムの入り口は、多くの高齢者でごった返していた。10時ちょうどにオープンすると、詰めかけた人々はカギを受け取り我先にロッカールームへ。中には足元がふらつき、ヨロヨロと危なっかしい人もいる。お目当ては、エクササイズマシンの一番乗りだ。
「“開店待ち”しているのは暇を持て余しているシニア層がほとんどで、お気に入りのマシンに詰めかけるんです。女性は先着順に参加できるヨガ教室などに殺到します」(ジムの会員)
健康ブームの高まりの中、彼らはジムにとっても格好のターゲットだ。60歳以上を対象とした「入会金0円」キャンペーン、平日昼間の割引などでシニア会員集めに奔走する。両者の利害が一致しているのだ。
体を動かす習慣がつく上、ご近所同士のコミュニケーション手段にもなる──いいこと尽くめに思えるジム通いだが、「シニア会員たちが起こすトラブルが頻発している」と先の会員がつぶやく。