「近所のおじちゃんが、豊見城を率いて甲子園に出場する姿に憧れ、私も高校野球の指導者になった。ずっと可愛がってもらいました。ですから沖水の復活が私の使命です」
沖水が甲子園から遠ざかっている間に、1999年に沖縄尚学がセンバツを制し、2010年には興南が春夏連覇を達成した。
「栽監督は根っからの負けず嫌い。悔しがっているでしょう」
そう語る上原が監督に就任して以降、練習環境を整備。現在は1991年準優勝時のメンバー3人がコーチを務め、スカウティングにも力を入れる。
「右のエース(国吉吹)は、私が久米島から連れてきた選手で、身体能力が高い。ターザンみたいな子なんです(笑)」
新チームは沖縄尚学、興南という二強とも伍する戦力だと自信を持つ。沖水は来春の甲子園帰還を狙っている。(文中敬称略)
●取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター、『永遠のPL学園』著者) ●撮影/黒田史夫
※週刊ポスト2018年8月10日号