「意味がわかんない。何が楽しいの? 参加するんだったら自決する」(マツコ・デラックス)、「純粋に楽しんでいる人なんてほとんどいないんじゃない?」(武井壮)──そう言って彼らが疑問のまなざしを向けるのはバーベキュー(イマ風に言うと「BBQ」)だ。
マツコは「BBQぎらい」を告白した『5時に夢中!』(TOKYO MX)で、その理由を「ほこりがついた肉を食べたくない」「BBQする人たちの『みんな好きだろ?』『お前も来たいだろ?』という問いかけがイライラする」と語っていた。
その意見に深くうなずくのは、毎年ママ友からのBBQの誘いに頭を悩ませているという斉藤優子さん(仮名・36才)。
「善意で誘ってくれているし、子供の友人関係にヒビが入ると困るからと家族で参加しているけれど、正直しんどい。子供だって、最初ははしゃいでいるけれど、そのうち暑さでぐったりして機嫌が悪くなる。お肉も、食あたりを気にするあまり、炭になる一歩手前まで焼いたものをタレにじゃぶじゃぶつけて食べるから、味なんてわかったもんじゃない。今年も今から気が重いです…」
暑さや肉の味だけでなく、調理や片付けにおける「不平等」を口にする人もいる。
「『アウトドアに慣れてるから』と、火をおこしたり肉を焼いたりという目立つ作業を独り占めする同僚が『すごい!』と称賛される裏で、私はひたすら野菜を切って後片付けをして…。誰も褒めてくれないうえに、『ちょっとこのなす、薄いんじゃない?』とダメ出しされる始末。しかも気がついたら肉はほとんど残っていなかった。あれ以来、BBQには行かなくなりました」(40代会社員)
BBQにおける「火をおこせる人」礼賛現象については、『名探偵コナン』や『ポケットモンスター』などの声優として活躍する林原めぐみ(51才)も、かつてブログで憤っていた。
《火を起こせる人、ヒーロー!!!!みたいな空気も、なんか嫌。火起こしなら、原始人のが100倍、ヒーローだわ!!!!!》《なんか、火が付くと回り皆で、一斉に「おーーーー!」とか…。(中略)苦手です》
◆「芋煮」には“平等の思想”がある
BBQって、なぜこんなにもモヤモヤするんだろう…。フードジャーナリストでBBQインストラクターの資格も持つ松浦達也さんが、あえて今のBBQの問題点を指摘する。