スポーツ

絶対王者・大阪桐蔭 「年下監督」に苦手意識あり

大阪桐蔭の中川卓也主将と作新学院の磯一輝主将(時事通信フォト)

 記念すべき100回大会を迎えた夏の甲子園に、いよいよ主役となる大阪桐蔭が登場し、2年前に全国制覇した作新学院と相対する。この度、『4千分の1の名将 新・高校野球学[関西編] 』(大和書房)を上梓した高校・大学球児向けフリーマガジン「サムライベースボール」の発行人である古内義明氏が、史上2校目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭の死角に迫った。

 * * *
 8月2日に行われた組み合わせ抽選会。大阪桐蔭の中川卓也主将がクジを引いてから、しばらくの間、対戦相手が決まらなかった。終盤、ようやく決まった対戦相手は、2年前の優勝校であり、夏の栃木予選8連覇中の作新学院だった。同校の磯一輝主将は「(大阪桐蔭の隣)5番が空いてると思っていた。初戦で大阪桐蔭と当たるのも何かの縁。挑戦者のつもりで自分たちの野球をやりたい」と抱負を述べていた。

「小針監督は特に凄いと思っています。自分が33歳の時なんて甲子園にも出られずに、もがいて、もがいていた時期でしたので、小針監督はもう堂々と甲子園で采配されています」

 大阪桐蔭の西谷監督は、対戦相手となった作新学院の小針監督をそう評し、若手の代表格と位置付けていた。

 高校球界を見渡せば、帝京の前田三夫監督、智弁和歌山の高嶋仁監督、大垣日大の阪口慶三監督の大ベテラン監督がいて、それから日大三高の小倉全由監督や平安の原田英彦監督などが続き、西谷監督の昭和44年生まれの49歳世代は、東海大相模の門馬敬治監督や花咲徳栄の岩井隆監督と、全国制覇を達成した名将を輩出する黄金世代と言える。その世代からすると、33歳の小針監督を筆頭に、関東一高の米沢貴光監督(42歳)や敦賀気比の東哲平監督(37歳)などは、次世代監督と言えるのだろう。

 以前、西谷監督が選抜優勝を振り返る際にこんな話をしていた。

「選抜準決勝の三重高校戦は、2014年の夏の甲子園決勝もそうでしたが、簡単にはいかないだろうなと。大会最年少の小島紳監督(28歳)は正直やりにくかったです。前任の中村好治監督(64歳・現総監督)のいいところも受け継いでいて、そこにまた何か武器を持っていて、その上にちょっと大胆さがあり、何か怖い者知らずというか、『ええ!そこで!』と思うような場面が準決勝でもいくつもありました。試合をするのが本当はイヤでしたが、そんなことは選手にも誰にも言えませんでした」

 弱音を見せない西谷監督が、口にした衝撃的な告白だった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン