約5万8000店──日本全国にある薬局数だ。いまやコンビニ(5万5000店)をも凌ぐ。そうした“乱立状態”が、「危ない薬局」を生み出しているという指摘も多い。
7月下旬、京都大医学部附属病院の院内薬局に薬剤師として勤めていた男女2人が、調剤ミスで60代の女性患者を死亡させたとして、業務上過失致死容疑で書類送検された。
命の危険を招く危ない薬局の見分け方を薬剤師が教えてくれた。まず、見た目でわかる判断材料は局内の「掲示物」だ。
薬局には、薬剤師の名前や担当業務、「1類」「2類」といった一般用医薬品の区分などを、薬局の見えやすい場所に掲示することが定められている。医薬情報研究所取締役で薬剤師の堀美智子氏が語る。
「薬局には『薬剤師』と薬剤師資格のない『登録販売者』、事務員などのスタッフがいます。薬機法(旧・薬事法)に基づき、患者が肩書きを見分けやすいように『名札』をつけたり、『白衣の色や形』を区別することを厚労省が通知している。
名札がついていなかったり、スタッフ全員が同じ白衣を着ている薬局の場合、資格の範囲を逸脱した業務を行なっているスタッフがいても患者は見分けられない」