西日本豪雨の爪痕が癒える間もなく台風12号が列島を襲った。直下型地震のリスクも指摘されるなか、「とりあえず防災袋だけでも用意しておかなければ」と考えるのは自然なこと。
ただ、被災した当事者たちの声に耳を傾けると、「防災袋に入っているものだけだと、ちょっと足りない」という現実が浮かび上がってきた。そうした貴重な体験談から学ぶべきことは多い。
「“避難勧告が出たから急いで近くの小学校の体育館へ!”とアナウンスされて、とにかく常備しておいた非常袋だけ持って家を出ました。ただ実際に避難所生活を始めたら、“あれを入れておけばよかった”と後悔ばかりで……」
そう話すのは、7月の西日本豪雨で被災した60代男性である。
1万~2万円前後で売られている一般的なリュック型の防災袋に入っているのは、水、アルファ米、乾パン、レトルトカレー、カイロ、非常用ろうそく、ヘルメット、マスク、懐中電灯、救急セット、単三電池、バッテリーなど。
いずれも災害時に有用なものだが、「これらさえあれば大丈夫」というわけでもないのだ。では、避難生活が長期化すると「それ以外」の何が必要になるのか。実際に被災した当事者たちに聞くと、次の20アイテムが挙がった。